Saturday 2 January 2010

雪国人と雪かき

クリスマスの一週間前から突然誰かがスイッチを入れたかのように雪が降り出した。 其れと同時に市民の雪かき作業が始まったのだが、やはりホリデーで遊びに来てるときには気づかなかった事に色々気づく。

ある朝5時頃、ガリガリという音で目が覚めた。ネズミが壁で歯を磨いでいるような音だった為、ぎくっとした。 このアパートにネズミが発生しているのか? しかし、よく音の発信源を耳をすまして聞いていると、どうやらその音が外から聞こえてきていることに気づく。 何の音?。。。。あっ、と気づく。 雪かきで凍りついた表面をガリガリしている音だったのだ。 朝早通勤する人が家の前を雪かきしているのだろうか? そんな早朝の雪かき音は、雪が降る夜の翌朝は必ず聞こえる。 目覚まし時計など要らない。

ある日、いつものように夜10時ごろウディー犬のお散歩へ出た。 するとうちのアパートの向えの人が雪かきマシーンを使って雪かきをしている。 自分の家の前のみならず、ワンブロック全ての雪を除雪している。 夜の10時にわざわざこのような作業をしなければならないとは、自治体もしくは市で決められた何か法律でもあるのだろうか、と思っていた。

先日、その話を叔父にすると、「趣味は雪かき」という人が結構多いのだと教えてくれた。 イギリスで言うところの、DIYやガーデニングが趣味、というのと同じ感覚だろうか?

「雪が降らないから、何か手持ちぶたさでね~」などと言う人も居るらしい。 結構笑える事実。 居酒屋で飲んだくれる人と比べたら、何ともありがたい趣味である。

ロンドンの我が家には、前に芝があったのだが、隣の叔父さん(退職者)がいつも芝刈りをしてくれ、駐車場に生える雑草も定期的に除去してくれていた。 申し訳ないな~とは思いながらも、ありがたくその恩恵に上がり、クリスマスにはそのお礼にスコッチなどのお酒類をプレゼントしていたのだ。

来年はお向かいの除雪叔父さんにクリスマスプレゼントでも贈ろうか?!

オンデマンド・デジタル時代の先端を走るBBC

イギリスは日本の一足先にデジタル化が進み、スコットランドではすでに完全デジタル化、イングランドも近年完全デジタル化となる。勿論、切り替えは数年がかりでじょじょに進められ、老人や貧困家庭が取り残されないような努力がされている。

BBCはその中でもその最先端を走っており、全てのラジオ番組がインターネットを通して聞く事ができる。テレビ番組もiplayer(アイプレイヤー)というウェブサイトを通してオンデマンドで視聴することが出来る。 ニュースチャンネルは随分前からライブストリーミングにより、ネットで時差無く見る事ができ、ロンドンに住んでいる時は、よく利用していた。 オンデマンドの良いところは、見たい番組のみを、自分の好きなときに見られる事。 ipodなどにダンロードして通勤中に利用する人も多い。

ラジオはライセンスが不要な為、世界中何処でもネットを通して聞けるのだが、テレビ番組はIPアドレスにより制御されている。しかし多くのイギリス人が外国に住む今、VPN(ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク)を使用して、イギリス国外からでもインターネットを通してイギリスのテレビ番組を楽しむ事が出来るようになっているようだ。(厳密には違法) 最近は、オンデマンドのみならず、BBCのほぼ全てのチャンネルを時差無く視聴できるようになっている。 ヨーロッパ大陸在住ならともかく、オーストラリアのように時差のあるところに住んでいる人は、時間帯が合わず、結局ダウンロードする事になるのだろうが、それにしても、BBCはものすごい勢いでテレビ文化を変えている事がわかる。 ブラウン首相も世界一の高速インターネットラインをイギリスに構築するという目標を掲げており、国営のBBCの動きがそれを象徴するものだと言える。

日本もいよいよデジタル化に大きく一歩乗り出したようだが、NHKを中心に政府の大きなバックアップがあれば、デジタル化も早いだろうと思う。 携帯電話など、多くの技術開発で独自の進化を進める日本が今後どのようなデジタル化を迎えるのか楽しみである。

Friday 1 January 2010

お正月

13年ぶりに日本のお正月を経験した。 大晦日に信濃(しなの)神社で初詣をし、おみくじを引き甘酒を飲んだ。 甘酒はそれほど好きではないと記憶していたが、そこの甘酒はものすごくまずかった(笑)甘くお酒の味がほとんどしない。甘酒ってこういう味だっただろうか?

 

大晦日の夜は気温は0度くらいで、そこで働いているボランティア(?)のスタッフの人が、「今年は温かくて本当にラッキーだ」と言っているのが聞こえた。 一方ロンドンも大晦日、年始と0度程らしいが、「大寒波」と大騒ぎしており、この感覚の違いが結構笑える。 しかし、スコットランドの一部ではマイナス16度まで下がったらしい。

New Year 2010

ともあれ、無事初詣も終わらせ、翌日の元旦は予定通り祖父母宅でお食事会。いとこのK君とは私が高校へ入学する前の春休み以来。 顔は写真で毎年のように拝見していたが、若いのにとても礼儀の正しい、しっかりした青年だと思った。

久しぶりのおせち料理は大満足。立派な3段重ねで、選り取り緑。食べ切れなかった分は「お持ち帰り」したので、また明日にでも引き続き食べる予定。

Osechi Osechi

ヨーロッパで冬に良く飲まれるホットワイン、イギリスではMulled Wine(モルド・ワイン)と呼ばれる、スパイス(シナモン、クローブ、オールスパイス、ナツメグ、オレンジ、レモンを入れる)と赤ワインを暖めたものを持参し、皆さんに試飲してもらった。 本当はもうちょっと甘いのだが、蜂蜜が途中で切れてしまい、中途半端な味になってしまったのがちょっと残念だが仕方が無い。 日本の甘酒みたいなもので、アルコール度数も割りと少なく、暖かくて甘い冬の飲み物だ。

mulled wine

イギリスでは大晦日の夜、ドンチャン騒ぎだが、元旦は前夜の二日酔いからのリカバリーとして祝日になっているようなもので、特に何があるわけでもない。そして通常二日から平常どおり仕事が始まる。 日本のお正月はウディーにとっては初めての経験。 おせち料理を以前食べた事はあるが、お重に入っているのを見るのは初めてだと思う。 どうやら「栗きんとん」が気に入ったようである。 ちなみには英語でマロンではありません(笑)

Sunday 27 December 2009

ケーキ作り

オーブンやコンビレンジ無しでケーキを作った。  灯油ストーブの上に、鉄板焼きの器を載せて上にふたをしたら、あっという間だった。 うちの灯油ストーブはオーブン調理器にもなるのだ(笑)

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別離不安症とは。。。

うちのウディー犬が「別離不安症」である事は、知る人ぞ知る事実であるが、これは、性格の一部みたいなもので、症状を和らげる事は出来たのとしても、一生つきまとうのである。

犬を飼った事の無い人、また犬を飼っている人でも、別離不安な犬を経験した事が無い人は、私達の苦労はなかなか理解できないと思う。 もしかしたら、「何で犬ごときに、そんなに気を使うのか?」と思う人も居るかもしれないが、結局のところ、犬に気を使っていると言うよりは、近所迷惑を気にしていると言うのが一番の理由である。

ロンドンでウディー犬を飼い始めて3ヶ月以内に、ご近所から「動物愛護団体にうったえるぞ」と脅された。犬が一日絶え間なく吠えていた事に対するクレームだった。 その後、犬の行動心理学者を訪れ、色々アドバイスを貰い、何とか落ち着いた。それでも、近年、「君が家を出る直後、必ず犬が吠える、こっちは仕事で帰ったばかりで寝ているのに!」とクレームを受けた。 この人の場合、レストラン勤務で、帰宅が午前2時、3時とのこと。 はっきり言って、私達の知ったこっちゃない。 朝の5時ぐらいに吠えているのなら話は別だが、8時以降は、イギリスでは法律的にも工事などの騒音が伴う仕事を開始してよい時間帯なのである。 犬の吠え以外にも、ドアの開け閉めがうるさいだの、ごちゃごちゃ言ってくる人だった。

別離不安の症状として、「破壊行為」派と「吠え」派がある、勿論、両方という場合もある。 うちは後者の「吠え」派だが、破壊行為を伴うときもある(自分の家でない場合など)

別離不安の犬を飼うことはまるで、自閉症の人と一緒に住んでいるような感覚で、一日のサイクルがきっちり決まってなければならない。 「この次にはこれが来る」という明確なパターンを知る事により、安心感を持ち、その症状が和らぐのである。

例えば平日、仕事へ行く準備、その行動パターンが一定していると、比較的ウディー犬はおとなしく私達を送り出してくれる。一方週末のように、行動パターンが明確で無い場合はちょっと外へ出ようとすると吠え出すのだ。

その為、休日私達が外出するときは、一度お散歩へ連れ出し、戻ってきたら直ぐに出かけるなど、行動にある一定のパターンを作る様に心がけ、よってその症状を緩和させる努力をしている。 その為、短時間と言え、いきなり予定を変更して家を出ると言う事は避けているのである。 犬にとっては私達の外出が30分か5時間かはあまり関係ない。 犬はそのような時間的感覚は持っていない。 ただ、時間が長くなると、吠える確立は高くなるので、一回の外出は4時間、仕事をしている平日でも長くて6時間を限度にしている。

もう一つ、避けているのは、家にちょっと立ち寄って直ぐに家を出るというパターン。忘れ物を取りに戻るのも基本的には避けている。 例えば、午前中私がちょっと外出して、その後一緒にウディー(人間)と買い物へ出かける予定だったとする。その場合、私は家に戻らず、外で待ち合わせる。 私が家に帰ると、興奮し、その興奮状態で2人が家を出ると不安症の症状が増してしまうからだ。

冒頭で別離不安の犬を飼ったことが無い人はその苦労が分からないと書いたが、ペットシッターの仕事をしている知り合いのNさんはそれをよく理解している。 彼女の家にも別離不安の犬がお泊りに来る事があるらしい。 前回は床をがりがり掘って逃げ出そうとしたり、今回も朝起きたら家の中がビックリな状態になっていたらしい。 犬種はラブラドールで、どうやら「破壊」派のようだ。 別離不安症の犬は大変だと彼女のブログにも書いてあった。 社会性の有る無し、躾が出来ている、とはまったく関係が無い、別の分野なのである。

今住んでいるアパートは犬OKという事なのだが、契約上は「不可」になっている。 犬受け入れを拒否するとビジネスが成り立たないと言う事で、家主が非公認でOKとしている様である。 契約上「可」であれば、犬の吠え声もある程度、強気で居られるのだが、契約上「不可」とはっきり書かれてしまうと、そういう訳にも行かない。

私達はたまに外出中の様子をビデオに録画している。 これは、吠えの頻度や一回に吠え続ける長さなどをモニターする目的からだ。 私達の安心材料でもあるが、クレームを受けたときの確証とする目的でもある。

今のアパートへ入居後、お隣へご挨拶へ行った際、いきなり吠え声の話になった。 そのお宅は犬を飼っており、以前ご近所から吠え声に対しクレームを受けた事があったらしく、気を付ける様にとの忠告だった。 入居一週間以内ですでに吠え声の話。 まぁ、ウディー犬を飼っている以上一生お付き合いて行かなければならない、持病みたいなものなのである。

Wednesday 23 December 2009

日本のコーヒーはまずい

私はコーヒーを殆ど飲まないが、そんな私でさえ、日本のコーヒーがあまりにも薄味なのにビックリした。 アメリカもコーヒーはかなり薄味なので、多分その影響かもしれないが、日本に住むアメリカ人でさえ日本のコーヒーがまずいと言っているらしい。一方でヨーロッパ、ならびにトルコなど西方面の国々は味の濃い(苦いわけではない)コーヒーを飲むので、日本のコーヒーはコーヒーの香りのするお湯を飲んでいるように感じるのだ。

今朝、うちの近所にあるブラジル専門店の前にコーヒー豆半額という看板が立っていた。 以前からもしかしたら美味しいコーヒーを売っているかもしれないと、気になっていたので、中に入ってみた。

狭い店内で、ごちゃごちゃと色々なものが立ち並ぶ。輸入食品やら紅茶などもコーヒーと一緒に売られていた。 「苦くなくてカフェインの割と強いコーヒーを下さい」とお願いすると、コーヒーは豆の炒り具合によって、その強さが変わると教えてくれた。 浅炒りの豆はカフェインが強いとの事。 だから、「じっくり炒った」なんて宣伝しているコーヒーは最も避けるべく種である事が発覚した。

試飲として、とりあえず200gほど惹いてもらって帰ってきた。 100gで248円、200gの購入だが半額なので100g分の料金で済んだ。 フィルターペーパーと陶器のドリッピングも購入(各2割引き)し1000円以内。とってもお得な買い物だった。

家に帰って早速飲んでみる。 メジャーで大盛りでマグカップ一杯分が丁度良いようだ。 挽きたてで、香りもお味もグー。 コーヒーはやっぱりこれくらいじゃないと飲んだ気がしないよね。

ウディーは早速、日本のコーヒーが不味いと愚痴っていたアメリカ人にそのお店の存在をお知らせしていた。その人は仲間を募って大量買いでアメリカからコーヒーを輸入しようと考えていたらしい。 「アメリカのコーヒー不味いじゃん」と思わず私。 まずはうちの近所のブラジルコーヒーを試してもらいましょうか。

雪国生活スタート

週末にどっさり雪が降り、いよいよ雪国生活が始まった。今年はホワイトクリスマスが経験できないのではないかとちょっと心配したが、ジャスト・イン・タイムである。 雪が降り始めると近所の人たちは機械的に雪かきを始める。体に組み込まれたプログラムの様に、自動的にその作業が始まるのである。 私達はアパート暮らし、おまけに車も無いので、ラッキーな事にそんな雪かき作業からは免除されている。

話は変わって、先週灯油ストーブを購入した。 灯油がガス代に比べて断然安いというのと、どうもガスファンヒーターの風が落ち着かなかったのだ。 私達が購入した灯油ストーブは持ち運びに便利なコンパクトサイズで、10畳用。 一週間で18リットルのポリ缶(1300円弱)を一つ使ったとして、4週間で5200円の計算。 先週一ヶ月のガス代が1万7千円弱だったので、どんなに少なく見積もっても1ヶ月7~6千円は節約できる計算だ。 灯油ストーブは風が吹き出すことも無く、もわーっと部屋全体を暖め、暖かさもこちらの方が断然上だ。 ガス代に比べ、一方、電気代はめちゃくちゃ安い。一ヶ月3千円もしなかった。この違いは何だ?と思うくらい。

冬の服装も苦労する点がある。何故かと言うと、外は寒いのに室内が異常に暑いからだ。 仕事場へ着込んで行くと、ゆで上がりそうになる。 以前短期で働いていた場所では、半そでで仕事をしている人も居たくらい。 おまけに、午後になると暑すぎて窓を開ける人まで出てくる始末。 私は慌てて閉まってあった薄手の服を引っ張り出すことになった。 ロンドンで冬着ていた服装よりも薄着だ。 なんともエコな北海道である(笑)。

土曜日はウディーの英会話学校のクリスマスパーティーで、私も御呼ばれした。 勿論子供ばっかりで、小さい子供が得意でない私は最初ちょっぴり緊張だったが、何とか切り抜けた。 子供対象のパーティーなのでアルコール無しだったが、チョコレートフォンデュとパウンドケーキが出された。 紙粘土でクリスマスツリーの飾りを作り、その後、風船を足に付けて割りあうゲーム、プレゼント交換とうアクティビティー目白押しの2時間である。 ほとんどの子供達は粘土に夢中だったが、唯一男の子だった兄弟は粘土遊びよりもウディーを相手にかくれんぼや走り回るのに夢中だった。 弟の方は来年小学校一年生なので、甥っ子のフランキーよりも1~2歳年が上だが、体の大きさはフランキーの方が大きい気がする。 やはりイギリス人の子供は日本人と比べて平均身長が高いのだろう。

ところで、そこの英会話学校のオーナーの先生は私の英語力に驚いたようだ。 冗談でだろうが、私の事を雇いたいとウディーに言ったらしい。 しかしながら、子供を教えるのはかなりしんどそうだ。 言う事を聞かなかったり、授業中に全然違う事をし始めたりする生徒が居るらしい。 その学校で雇われている日本人の先生はとてもやさしく、授業中はいつも子供達がギャーギャーと賑やからしい。 ただ、子供は犬のと同じように扱ってれば間違えないという話は立証された。 そのクリスマスパーティーで準備しておいた風船を影で割り始めようとする悪がき兄弟2人に「Oi! Leave it, leave the baloons alone!!」とウディー犬を扱うのとまったく同じ調子で怒鳴ったら、直ぐに言う事を聞いた(笑)。  もしかしたら、そんな私の様子をオーナー先生は見ていたのかもしれない。

パーティーで、その彼女は「最近の子供は想像力が無い」と嘆いていた。 一つには親が過保護に手伝いすぎるのと、テレビゲームをする事が多く、自分で想像力を膨らまして遊ぶ遊びをした事が無いというのも理由だろう。 確かに、粘土以外の素材を与えられて、これで、飾りを作ってごらんと言われると、ある女の子は本当にどうしたらよいか分からない様子で、「どうしよう」と私に聞いてくる始末。 オーナー先生は「私は意地悪だから、そういう子には”どうしたらいいと思う?自分で考えなさい”と突き放すのよ」と言っていた。 自分で考える事の出来ない現在の子供達。将来日本はどうなるのだろうか? まぁ、イギリスのようにギャング行為による暴力で悩む国よりは救われた悩みだが。。。。

ウディーは悪がき兄弟のお母さん(パーティーにも参加していた)からとても評判が良いらしい。 まぁ確かにあれだけ懐いていれば、そう思うよね。